2010年2月27日土曜日

ピクトさんの本 ― 内海慶一

 会社の私のデスクの隣人、K氏は、様々なジャンルの本を読んでいる。それは、小説から実用的なものから、知識の収集のためのものから、面白いものまで、多岐にわたる。

 今回借りた「ピクトさんの本」は、ブログが発信源だそうだ。ピクトさんとは、ピクトグラムのこと。いわゆる標識などに登場する人のマークである。彼らのいろんなデザインを集めて、いかに酷い目にあっているかを紹介する本である。日本だけでなく、世界中のピクトグラムを写真に収めて紹介している。中にはかなりリアルなものまであり、驚く。

 このいろんなピクトグラムを集めただけの本をなぜK氏はほしがったのだろうか、と考えてしまう。半分が写真のページで、字も少なく内容もふざけている。ああ、こんないろんなマークがあるんだな、とちょっと笑える息抜き、なのだろうか。
 しかし、この本をK氏は仕事の流れで紹介してきたのである。K氏の部署で独自のピクトグラムをデザインして、仕事に使おうとしていたときに、ふとこの本の存在を思い出したらしく、机からひっぱりだしてきたのである。

 読書とは、ただ面白そうだなという興味を持ったら即買い、即読む、というのがいいのかもしれない。するとその後は、その本は資料に変わるようだ。